2008.08.28(Thu)
眠れぬ夜 信じることの難しさ 露草の藍衣が濡れる
081:露
2008.08.27(Wed)
水田に悠々そびえる逆さ富士 稲の生長心待ちして
080:富士
2008.08.26(Tue)
塔となる父が愛でいた庭の松 主偲びて新枝伸ばす
079:塔
2008.08.25(Mon)
幾つもの季節を共に経てもなお 癒せぬままの黒百合の暗
078:経
2008.08.24(Sun)
躑躅背に若かりし日の父と母 溢れる笑みのモノクロ写真
077:写真
2008.08.23(Sat)
フリージア まぶたの奥に焼きついて 忘れられない鮮やかな君
076:まぶた
2008.08.22(Fri)
温室で翼広げて風を待つ 極楽鳥花翔ぶ日を夢み
075:鳥
2008.08.21(Thu)
英語読み「フォーゲットミーノット」
いつまでも 記憶の中に生き続けたい
074:英語
2008.08.20(Wed)
クロッカス 愛した事を後悔し 残像だけを抱きしめている
073:像
2008.08.19(Tue)
今日もまたリモコン仕掛けの時計草 喜哀の中で生かされている
072:リモコン
2008.08.18(Mon)
鉄線や 蔓張りめぐらせ罠掛ける 狙うはあなた小さなたくらみ
071:鉄
2008.08.17(Sun)
ひっそりと心静かに神の蓮 吾の罪など見透かしている
070:神
2008.08.16(Sat)
卒業の門をくぐりて脱ぐ制服に カーネーションの微かな香り
069:卒業
2008.08.15(Fri)
そこかしこ擽り焦らす杉花粉 吾を悩ます憎らしき奴
068:杉
2008.08.14(Thu)
夕立に慌ててひらく破れ傘 寄り添う肩が息づく刹那
067:夕立
2008.08.13(Wed)
月下美人 ただ一度だけ逢いたくて 今宵花咲け切なき願い
066:切
2008.08.12(Tue)
あんたさえ居ったら他になんも要らん 銀杏並木の大阪の夜
065:大阪
2008.08.11(Mon)
両の手で初めて弾いたピアノ曲 スイートピーが傍でスイング
064:ピアノ
2008.08.10(Sun)
砂浜に打ち上げられし溜息は ハイビスカスの髪飾りなり
063:浜
2008.08.09(Sat)
頂点を極めた君に月桂樹 歓喜の声と勝利の乾杯
062:乾杯
2008.08.08(Fri)
譲葉の新旧交代春うらら 論じた夢を受け継いでゆく
061:論
2008.08.07(Thu)
はにかんで拗ねた横顔黄水仙 すぼめた口に優しいキスを
060:キス
2008.08.06(Wed)
ひらがなで書いた君の名まぁるくて
「まんねんぐさ」の秘めた思いやり
059:ひらがな
2008.08.05(Tue)
夢多き明日を見据えて釣鐘草 いつも上向き下など向かぬ
058:鐘
2008.08.04(Mon)
夕暮れの秋の空気を吸い込んで 風船葛夢膨らます
057:空気
2008.08.03(Sun)
おままごと ハンドタオルの座布団に
赤い実青い実葉っぱのお皿
056:タオル
2008.08.02(Sat)
梔子の甘い香りに抱かれて 夢み心地や薄れる疲労
055:労
2008.08.01(Fri)
竜胆の籠負う背中丸みおび 朝もやの中電車を待ちて
054:電車